http://wiredvision.jp/archives/200603/2006031505.html
面白い。
要は、ゲーム画面の体力(HP)などの表示をなくした方がゲームがリアルで面白くなるんじゃねえ?いやいや、そうとも限らねえぜ。というお話。
私も記事に同感ですね。
HPなど整理された情報表示が無ければ、ゲーム内の全ての情報から、それを読み取らなくてはならなくなる。
現実だと車の運転を例にすると分かりやすいか。
車のスピードメーターも、スピードを数値化して一瞬で現在の状態を把握できるようにした表示システムだが、あれが無ければ車のスピードを何で判断するのか。
・アクセルの踏み込みの感覚。
・流れる風景のスピード。
・他の車との相対速度。
・エンジン音と振動の違い。
それらの情報を脳内で処理して「すごく速いはず。今、80kmぐらいで走ってるのかな」と判断しなくてはならない。
そんなのやってられないですからね。
文中にもあるように、事の本質に集中するためには、それ以外の情報はできる限り単純な数値などで一瞬で把握できる方が良い。
運転の場合だと車のコントロールだし、ゲームの場合は、殴り合いや殺し合いや撃ち合いになる。
あと面白いのはここですね。原文を引用する。
米軍が戦闘兵向けHUD表示装置の開発に取り組んでいるのも、まさにこうした理由からだ。ゲーム好きの高級軍人を何人か知っているが、こうした人たちに言わせれば、ゲームに使われているようなHUD表示装置をすべての兵士に持たせ、基本的な体力レベル、現在位置を示すマップ、所持する弾薬や装備の状態がわかるようにすれば、間違いなく戦闘での死者は減るという。
戦争ゲームのような情報表示(情報整理といって良い)を、現実世界の戦争で使用するわけだ。
ゲームからメーターやゲージを取っ払ってリアルな世界をつくるよりも、こういった現実でゲームの表示を取り入れる動きの方がよっぽど興味深い。
この話からは、こちらのブログで昔読んだ記事を連想しました。
スポーツ中継がどんどんゲームの映像みたいになってる件について(NGM)
http://d.hatena.ne.jp/msrkb/20050530/sportvision
スポーツ中継映像がどんどんゲーム画面っぽくなっているというお話。
サッカーが好きなのでサッカー中継を良く見ますが、今の中継だとフリーキックになった瞬間に「24m」とゴールまでの距離の表示が出て、さらに相手ディフェンスがボールから離れないといけないエリアが円形のレーダーのようにピッチ上に表示される。
これは完全にサッカーゲームの画面表示だ。
ゴルフ中継(私は見ませんが)も、ゴルフゲームと同じような情報表示になっているような気がします。
よく考えてみれば、TVのモニター越しにスポーツを見る際の情報量は、TVでスポーツゲームをプレイする時と変わらない。
実際にスタジアムで観戦していれば、実際にピッチに立っていれば生の情報量で判断できるゴールへの距離。
しかしモニターからの情報のみで構成されているスポーツ中継、スポーツゲームでは判断材料となる情報が足らない。
だからゴールまでの距離を分かりやすく数字で表示する。
スポーツというジャンルはTVとゲーム双方あるので分かりやすい例だが、テレビ番組自体、バラエティでも何でもゲーム画面化してるけどね(ゲーム画面化なのかWebサイト化なのか)
画面左上や右下に番組名やコーナータイトル。
クイズだとスミの方に問題が表示されているし、場合によっては正解数や残り回答時間などがある場合もあるだろう。 重要なメッセージは、テロップで文字情報として表示される。
画面分割で子画面なんかを使ったり、地図表示と連動したりするときもある。
チャンネルを変えた瞬間に、今画面で行われていることが何秒後に理解できるか、ということを考えてつくられた画面だ。
よくバラエティやお笑いのテロップ表示だけが問題や話題になったりするけど、昔のTVと比べて圧倒的に違うのは、テロップだけではなくて、ゲーム画面化してることのような気がするがどうだろう。
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