星飛雄馬「ああ…おれには青春がないなんて思ったが、こんなすばらしい年代を生きたんだ。もうゼロ年代なんかいらん。終われ!」


言われるまでもなく今日終わります。

戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010』を見ていた少年時代には、2010年が本当に来る想像なんてできなかったのですが、ゼロ年代もいよいよ終わりです。

「2010」=「トゥー・オー・ワン・オー」の響きに遙かな未来とアメリカを感じてたのを今でも覚えていま…

なお、『2010』のタイトルは語感を優先した日本独自の設定で、米国版ではトランスフォーマー『シーズン3』であり、映画版における2005年のユニクロンとの戦いの翌年である2006年が舞台である。
Wikipedia:『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010』


…なん…だと?…日本…独…自だと…?(この後、チャドの霊圧が消える)



というわけで、本年度最後の記事として、当ブログの2009年記事インデックスをお送りします。

ちなみに昨年のまとめ記事はこちらです。
【2008年記事のまとめ】 とあるブログの記事目録<インデックス>

今年は記事の総数が少ないので、好評・不評問わず、全部紹介させていただきます。

今年のキーワードをひとつ、個人的に選ぶとしたら「リビルド(再構築)」でしょうか。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、『サマーウォーズ』、『1Q84』など、意識させられることが大変多かったですし、私自身としても『聖戦士ダンバイン』リビルドを考えてみたりしました。

リビルド(再構築)関連銘柄


■『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』


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世界の美しさを少年はまだ知らない。 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』感想【01】

言わずとしれた、リビルドされた『エヴァンゲリオン』。
美しく、それでいて、これで終わってはいけないという、中間地点として申し分のないクライマックス。

■『サマーウォーズ』


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細田守による、『ぼくらのウォーゲーム』リビルド。
恐らく本年度最も反響があったのがサマーウォーズ記事三部作。
観る前→観た後→番外編:ウチゴハン という3つで、構成されていますので、この順で見ていただけると楽しんでいただけるかと思います。

【見る前】
日本の夏。『サマーウォーズ』の夏。 < 『ぼくらのウォーゲーム』再構築(リビルド)の価値は >

【見た後】
サマー"ウォーズ"バケーション <田舎で見た、映画『サマーウォーズ』鑑賞メモ>

【番外編:ウチゴハン】
世界の危機には「家族で食事」を <『サマーウォーズ』 フィクションと現実で異なる「正しい行動」>

『サマーウォーズ』は多くの人に楽しんでもらうために、数多くのフックを用意すると同時に、破綻するような情報量を、ギリギリのところで映画にしています。
ストーリーどうこうより、この映画の存在そのものがスリリングなタイムサスペンスで、私はこれにドキドキします。映画はスリル、ショック、サスペンス。

■『聖戦士ダンバイン』リビルド


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前編
再びバイストン・ウェルへ 『聖戦士ダンバイン』リビルド(再構築) 【問題提起編】

後編
因果地平から遠く離れて 『聖戦士ダンバイン』リビルド(再構築) 【再構築編】

少しいびつになっているTV版『聖戦士ダンバイン』の物語を、自分なりに再構築してみようという企画。前後編。
とはいっても、ストーリーを書くのではなく、物語のポイントとなる構成だけです。
構成そのものより、自分でも意外だった着地点にたどりついたふがいなさと、それでも感じた心からの納得ぶりをお楽しみください。

富野アニメと宮崎アニメ


■富野由悠季関連


今年は正直に告白して、富野アニメを全然見ていない(見直してもいない)。
私が富野アニメ記事を書くのは、何も見なくても記事が書ける題材だから、というのが理由のひとつとして、あるんですけど、さすがに新しい面白そうなこと書くにとにはもう限界。
来年はいろいろと見て、新たな刺激を受けたいと思います。

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メビウス(双方全滅)の輪から抜け出せなくて<「富野由悠季シミュレーションゲーム」>

ジャンル:「富野由悠季シミュレーション」のゲームがあったら?というお話。
今年の富野記事ではいちばん反響がありました。
きっかけは、『ダンバイン』記事での、囚人022さんとのコメントのやりとり

反応いただいた皆さんのアイデアと、私がその後考えたアイデアを合わせて「富野由悠季シミュレーションゲーム2」が出せるんじゃないかと思っています(妄想の続編構想)。

ファーストガンダムによるアルバム革命<「私の履歴書」富野アニメ体験プロフィール【前編】>

アムロとシャアの子供たち。<「私の履歴書」富野アニメ体験プロフィール【後編】>

富野アニメで産湯をつかった私の富野作品体験プロフィールを前後編でご紹介。

ノンストップ!! みはるくん!<機動戦士ガンダム「大西洋、血に染めて」より>

禁断の三身合体。ちなみにもっとも最近覚えた声優さんは能登麻美子さんです。

サザビーのサーベルはνガンダムを切り裂いたか <『逆襲のシャア』 νガンダムvsサザビー戦のルール>

個人的には、解釈論があまり好みではなく、物語の構造や機能の方により大きな興味があるので、こういう記事をもっと書きたいですね。
知識や技術がないので技術論ではなく、親しみやすく汎用性のある物語の機能の話がもっとできればいいんですが。

■大きな物語:富野アニメと宮崎アニメ


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なぜ『タイタニック』は世界中の海を渡れたのか<富野由悠季と映画『タイタニック』にみる「大きな物語」>

「多くの人で価値が共有できる物語」=「大きな物語」と定義して、富野由悠季『タイタニック』ショックのお話。
現在『アバター』公開で、また富野監督の発言もあったりしましたが、話題の映画というだけで口にしているわけではないことは、『タイタニック』発言だけを考えても理解できるはずです。

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無数の解釈ができる物語は無敵<宮崎駿『千と千尋の神隠し』にみる「大きな物語」>

「大きな物語」の話を引き継いで、宮崎駿『千と千尋の神隠し』の解釈無限大ストーリーのお話。「解釈で楽しめる物語をつくる」そのしくみ自体には非常に興味があります。
あとジブリアニメの記事を書いておくと、テレビ放送のたびに需要があるのでいいな、と思いました。ロングテール記事。

マンガ・書籍


■『西遊記』


李陵・山月記―弟子・名人伝 (角川文庫クラシックス)李陵・山月記―弟子・名人伝 (角川文庫クラシックス)
(1995/05)
中島 敦

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十人目の三蔵法師とSOS団:『西遊記』でエンドレス・ワン・オー・エイト

『西遊記』と、桜坂洋『All You Need Is Kill』、『涼宮ハルヒの憂鬱』「エンドレスエイト」のミックスと思いきや、実は痛快なりゆき番組ネタだったとある年齢から上は分かるという、相変わらずのどうでもいい多層構造記事。

■『15x24』


15×24 link one せめて明日まで、と彼女は言った (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-1)15×24 link one せめて明日まで、と彼女は言った (集英社スーパーダッシュ文庫 し 5-1)
(2009/09)
新城 カズマ

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せめて大晦日まで(に読もう)、と私は言った:正しきジュブナイル、新城カズマ『15×24』

ちなみに大晦日ですが、まだ4巻までしか読めていない…。

■『BLEACH』『ブラックラグーン』『BILLY BAT』『水滸伝』『1Q84』


ブラック・ラグーン 9 (サンデーGXコミックス)ブラック・ラグーン 9 (サンデーGXコミックス)
(2009/10/19)
広江 礼威

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はてしなく、どうでもいい日々【twitterまとめ】

twitterまとめ記事ですが、『BLEACH』、『ブラックラグーン』、『BILLY BAT』、『水滸伝(北方謙三)』、『1Q84』などの話題。『BLEACH』、『ブラックラグーン』あたりの話は、次の『MAJOR』記事と微妙に関連します。

■『MAJOR(メジャー)』


MAJOR(メジャー) 74 (少年サンデーコミックス)MAJOR(メジャー) 74 (少年サンデーコミックス)
(2009/12/18)
満田 拓也

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天動説マンガの主人公と読者の共犯関係:週刊少年サンデー連載『MAJOR』の価値

『MAJOR』連載終了前に書きたかった記事。いくつかニュースサイトに紹介していただいて、多くの方に読んでいただけたようなので思い残すことはない。

■『バクマン。』


バクマン。 6 (ジャンプコミックス)バクマン。 6 (ジャンプコミックス)
(2010/01/04)
大場 つぐみ

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『バクマン。』世界に、マンガ『デスノート』は存在しているのか<『バクマン。』にみる失敗しないシステム>

『バクマン。』記事なんですけど、確認無しで書くところが悪い方に出て、失敗した記事。でも、そこを笑ってもらえればいいかな、と思っています。

ゲーム


■『ペルソナ4』


ペルソナ4ペルソナ4
(2008/07/10)
PlayStation2

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エブリディ・ゲームライフ・ジュネス♪ RPGレスの仮面夫婦へ捧げるペルソナ4ガイド【紹介編】

ペルソナ4はすばらしいゲームなのですが、キャラクターやストーリー、設定あたりで魅力が語られることがどうしても多い。
私が感動したのは、そのキャラやストーリーを、ゲームが苦手な方にも100%味わってもらうためのゲームデザインと、初心者や面倒くさがり(私)の救済と省力化を兼ねたスモールサイズ設計。
紹介だけで終わってしまったので、もうひとつ記事を書いておきたいが…。



まとめ


さて、今年も多くの方にお世話になりました。ありがとうございました。

記事については本数自体を増やしたいと思っているのですが、内容的にはできる限り多層的に重ねられないかな、というのをかなり以前から意識していたりします。

第一階層:核になる話
ここだけは絶対に分かってもらうべき、話の核の部分。ここだけ書けば終わるといえば終わる。

第二階層:核を話すための副次的な話
共通点をもつ別の作品の例など、核を豊かにするための話。それを知らなくても分かるようにするか、知らないので無視しても核の理解に影響ないようにする。

第三階層:関連・発展・余談
核の結論後に話す、あとがき、余談。関連したり、しなかったり。本編に入らない思考のメモだったり、後の記事の卵であったり。自分の過去記事につなげたり、他の方の記事へリンクしたり。

第四階層:おふざけレイヤー
全体にかぶせるおふざけ。おふざけが面白くなくても、理解できなくても、核の話の面白さや理解に影響ないようにできる限り配慮する。全て分かってもらおうというつもりは全くないが、これまでの経験上誰がどこに引っかかるか分からないので、記事全体に入れる余地があれば入れる。

第五階層:おともだちレイヤー
最下層。年齢がほぼ同じ。見てたテレビが同じ。やってたゲームが同じというような、限りなく趣味が自分に近い人のためのレイヤー。今やおっさんレイヤーでもある。幅は狭いが、身近な友達のためにピンポイントで入れる。見知らぬ人で面白がってくれる人が万が一いれば、私と近いので良いお友達になれるかも知れませんね、というサインでもあります。

まあ、あくまで意識しているだけで実行できているわけでもないし、こんなのを全部やってると長文になって仕方がない。
ですからレイヤーを重ねつつ、いかにスリム化して、しかもメイン(核)の足を引っ張らないか、というのが課題なんですが、機会さえあれば余計な事を書いてしまうので、もう病気と思ってあきらめつつあります。体中に転移して手の施しようがない。

その代わり、第一階層だけは絶対に伝えたいのですが、あとの階層は全く伝わらなくても構いません。はじめからそのつもりで書いているので、何%伝わるか、というのは受け手次第でいいと思ってるんですよね。(ただし、核部分が上手く伝えられなかったら、枕を噛んで泣きます)

色々な記事の書き方があると思うんですが、私はこんな感じでやってます。
来年もよろしくご愛顧いただければ、幸いでございます。
それではまた、2010年(トゥー・オー・ワン・オー)にお会いしましょう。
ガンダーラ!愛の国!
みんな大好き『西遊記』


日本には数多くの『西遊記』ベースのお話がありますが、今回は元祖『西遊記』(スーパーモンキーでない方)のお話。
まずは、三蔵法師のお供の一人、沙悟浄の姿を思い浮かべていただきたい。特に首のあたり。

―――思い出せない?そんなことない。少しとびらをひらくだけですバイストンウェル。
では、思い出せない方のために、なつかしい動画のとびらをひらいてみましょうか。

■ドラマ「西遊記」OP&ED

※敏行がサムネイルで目立ちすぎですが、シローに注目。

もう一度エンドレス(KIX・S)


見ての通り、沙悟浄は首からドクロのネックレスのようなものをかけていますね。
超クール。さすが天界生まれ、流沙河育ち。悪そうな妖怪は大体友達。

このドクロ。全部で9つあるのですが、全て三蔵法師(前世)の頭がい骨です。
三蔵は何度も転生して天竺を目指しますが、そのたびに沙悟浄に食われてしまいます
9回食われて、9つのドクロになり、それがステキな首飾りになりました。

つまり私たちが『西遊記』で見ている、おなじみの三蔵法師は、実は「10人目の三蔵法師」というわけです。六番目の小夜子どころの話ではありません。

私は子供の頃からこの沙悟浄のドクロ話がとても好きでした。
三蔵は同じ面で9機死んで、さらにコンティニューしているわけで、非常にゲーム的でもありますよね。
小説で言えば桜坂洋『All You Need Is Kill』でもあり、『涼宮ハルヒの憂鬱』で言えば「エンドレスナイン」といってもいいかもしれない。
沙悟浄問題を解決しない限り続く無限ループ(時間軸が巻き戻るわけではないけどね)。

ポイントは、救われなくてかわいそうなのが、三蔵1人だけではないこと。
『西遊記』の場合、これに関わる全員が救われない。三蔵を食べる沙悟浄もそれに含まれる。

そもそも『西遊記』のおなじみのメンバーは全員が罪人で、贖罪とその果てにある救済を必要とする。
沙悟浄は9回も高僧を食べて、シューティングゲームでいえば2面ボスぐらいの役割を充分に果たしているが、それを続けている限り悟浄は救われない。
当然、天竺に辿りつかなくては食われっぱなしの三蔵も救われない。
そしてループを断ち切る力を持つ、ひと飛び十万八千里の齊天大聖も地上の人間に尽くさないと救われない。
「じゃあなんで食べるんだよ。9回も食べるなよ」と私も思いますけど、おいしそうな高僧が目の前にいて、それを食べない人がいて?(ララァ)

ともかく沙悟浄に9回食われたあげく、10回目でおなじみのパーティ(SOS団)を結成して、ついに突破に成功するわけです。
その10回目で、そのまま天竺まで行けたことになるので、RPGでいうと、レベル15ぐらいの時の中ボスがいちばん強敵だった。あとはラスボスまでそんなに苦労しなかったよ、という感じでしょうか。

ループ突破のカギはやっぱりスーパーモンキー孫悟空の弟子入りかも知れません。
そういえば中国では、序盤の天界で大暴れの悟空が好まれ、日本では弟子入り後の三蔵を守る悟空が好まれる、という話を聞いたことがあります。
権力なにするものぞ、体制に対してナチュラルに逆らう中国の気質や、ひたすら主人に仕える忠義を大事にする日本人の気質の違いが現れている気がして面白いですね。

SOS団(三蔵を「おっしょ様」と慕う団)、天竺へ


さて少なくとも9回は転生した三蔵ですが、沙悟浄に食われるだけでなく、それ以前に足をすべらせて崖から落ちた三蔵もいれば、五行山を通らないルートで虎に食われた三蔵もいたんだろうなと想像するとさらに楽しいことになるので、考えてみることにしました(楽しいことにだけ貪欲)。

【三蔵法師の憂鬱】エンドレス・ワン・オー・エイト(108)
001回目:唐の太宗に天竺行きスポンサー要請に行くが、無礼を働き、斬られる。
002回目:軽いデジャヴを感じながら太宗に斬られ、何となく自分の運命を悟る。
003回目:自殺してみる。
007回目:太宗の性格や好みはつかんだが、蓮舫に仕分けられてしまう(絶望して自殺)。
010回目:ついに天竺へ向けて出発、すること1時間。長安を出る前にチンピラに刺される。
013回目:長安脱出。しかし、国境の壁が乗り越えられない。
018回目:五行山到着。暴れ猿がいると聞いて、それを避けて進むがトラに食われる。
021回目:龍神池で溺れ死ぬ。
025回目:龍神池のパターンは大体覚えたと思ったら、今回パターン違ってる!
034回目:流沙河到達1回目。悟空なし。食われる。
047回目:流沙河到達5回目。食われる。ここがクリアーできる気がしない。完全に詰まった。
051回目:今回武芸を学んでみたが、人間程度の武芸では妖怪相手には無駄だと悟る。
053回目:悟空を味方につける必要があると感じるが、封印の解き方が分からない。
055回目:体を鍛えるより、むしろ容姿や話芸に気を使った方が得が多いと気づく。
062回目:悟空の弟子入りに成功。雲に乗って一瞬で天竺へ。「反則」とお釈迦様に転生させられる。
063回目:流沙河到達10回目。やっと食われず突破。いけるいけるぞ!
070回目:妊娠して子を産む。乳を吸う(出ないが)赤子を見ながら、これもいいかもと思い始める。
072回目:悪魔の館で、ストロング金剛につかまる。
077回目:悟空を破門する。…いつまで待っても戻ってきてくれない(正直ちょっと引く)。
088回目:ジブラルタル海峡で、クリティカルヒットを受け、落下。
092回目:火炎山でこんがりロースト。
097回目:人喰い穴で大念寺誠につかまる。ここに来て運かよ、といいつつ死ぬ。
101回目:全然天竺にたどり着けないので、いっそ射精しまくったろかなとか考え出す。
107回目:よくぞ生き残った我が精鋭達は、最終カート戦まで辿りつくが敗北。惜しい!
108回目:ついに天竺にたどりつく。


こうして死後コンティニューされるたびに色々試し、学び、悟り、しゃかりきコロンブスしたあげく、若くして徳の高い立派な三蔵法師ができあがるというのは、なかなか面白いかもしれない。
これだけ人生経験があっては、不屈の意志と、弟子達に愛されるカリスマがあっても不思議ではない。あと、三蔵はいつも運がいいな、と思うのだけど、運の悪い三蔵は全員もう死んでいるのだな。

天竺(ゴール)にて
三蔵「お釈迦様。三蔵、まいりました」
お釈迦様「よくぞたどりつきました。」
三蔵「ありがとうございます。あの…他の仏の皆様は、なぜうなだれているんでしょうか」
お釈迦様「お前が今回も失敗する方に、全財産を賭けた愚かなものたちです」
三蔵「え?それは?あの、え?」
お釈迦様「気にしなくてよい。私は信じておりましたよ(にっこりほほえむ)」


108回は冗談としても、三蔵の9回ループはちょっと見てみたいですよね。
ループを断ち切るためいろいろ工夫する三蔵や、毎回、三蔵を食べつつ、これでは救われないと嘆き悲しむ悟浄も見たい。ループを断ち切る力を持っているのに、さまざまな偶然で封印を解かれずイライラする悟空も見たい。
それは流沙河クライマックスの『西遊記』。



緊箍呪ギアス 反逆の孫悟空


最近ずっと、少年マンガでの「正義」や「暴力の正当性」みたいなことを自分なりにメモしようと思っているのだけど、取り止めがなくてなかなかまとまらない。もうまとめるのは放棄した。メモだけにします。

『西遊記』は、三蔵と悟空の、「契約(弟子入り)」→「破門」→「再契約」もあるし、全員が罪人だし、ロードムービーだし、ジャンプマンガの先祖みたいなものですから、参考になる面白い部分もたくさんあります。

三蔵をイデオロギー型主人公、悟空をアクション(暴力)型主人公としたバディものとして考えても楽しいし、三蔵を白主人公、悟空を黒主人公として考えるのも楽しい。
悟空「結果が大事なら雲に乗って一瞬で天竺に行くべきだ。」
三蔵「正しいプロセスを踏まない結果に意味はない」…とかね。

例えば『NARUTO』は三蔵がいないんですよね。
このマンガは10年目にして世界(システム)と戦う構図を出してしまったのに、それと対峙すべきイデオロギー型主人公がいないので、本来アクション型主人公のままにしておくべきナルトに全部任せようとして無理が出ているなあ、というのが私の感想です。

もちろんやり方は色々あるので、同じパターンを使う必要はないし、正解は無い。ただ、何らかの構造を持ち出すのであれば、それを処理しなければいけないのは確かなので、あくまで理屈だけで考えるならば処理が楽になるよね、というだけの話ですけどね(『NARUTO』はあくまで例えです)。

さて今年中に、少年マンガメモが天竺にたどりつければいいのだけれど、道に迷ってばかりで遥かに遠い。どうしたら行けるのだろう。教えて欲しい。

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