めっきりと寒く、坂本冬美風に言うなら、寒か寒か、心も体も、寒か、な今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

しかし南極の寒さときたら、こんなものではないのです(行ったことも、行く気もないけれど)。

ワタシハ、魔犬タロ・ジロ。コンゴトモヨロシク……。(ブフ系に強い仲魔)


TBS開局60周年記念番組 日曜劇場『南極大陸』。回ごとに見たり見なかったり、部分的に見たり。

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先日久しぶりに見てみると、次週が最終回らしい。第三次南極観測隊が出発し、南極に置き去りにされた犬たちを木村拓哉が迎えにいくようだ。
ということは最終回のクライマックスは、感動の名場面である犬たちとの再会シーンですね。

生き残ったタロ、ジロを見つけたキムタクは、涙ぐみながら、大きな声で犬たちの名を叫ぶ。
タロ、ジロは、キムタクの元へ一目散に駆けていき、抱きしめるために両手を大きく広げたキムタクの胸に飛び込んで、その喉笛を噛み千切る。
飢えと、過酷な環境と、死んだ仲間たちの怨念が彼らを魔犬にした。
二頭の魔犬は倒れたキムタクをそのままに、観測船に乗り込み、乗員をひとりづつ牙にかけていく。

タロ、ジロが観測船のブリッジを強襲し、乗員が逃げ惑った際に、はずみで船が動き出してしまう。
瀕死の中、何とか立ち上がったキムタクが見たのは、自分を置いて南極を去っていこうとする観測船の姿だった。
甲板には返り血を浴びて赤い魔犬と化したタロ・ジロが悠然とキムタクを見下ろしている。
「ちょっ、まてよ!」またない。船はそのまま南極大陸を離れていく。

この後、キムタクの代わりに日本へ戻ったタロ、ジロが、綾瀬はるかと結婚。
翌年、懐妊した綾瀬はるかが割腹し、八つの玉がはじけ飛ぶ。
その玉を持って生まれたひとりが堺雅人であり、彼はのちに料理人として南極に赴く。
そこには彼を含め8名の越冬隊員がおり、全員がそれぞれ別の文字が刻まれた玉を持つ不思議な因縁で結ばれていたのだった……。


という感じで、TVドラマ『南極大陸』映画『南極料理人』を結ぶ、『南極里見八犬伝』をつくればいいと思うよ。

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『南極料理人』に登場する越冬隊員の人数は、
ぴったり8人八犬士。

『南極料理人』主演の堺雅人は『南極大陸』にも出演しており、キムタクの大学時代の同期にして、南極大蔵省事務補佐官として南極に同行しています。
帰国後、再び観測隊への参加を希望するがかなわないという役どころですので、ハ玉の持ち主のひとりとして転生し、念願である南極の地を踏んだということにしましょう。
これにより堺雅人は、けっきょく南極料理人として夢大陸でアドベンチャーする運命だということが『南極里見八犬伝』で確定的に明らかになったわけです。

今、『南極大陸』のWikipediaを見たら、キムタクの部下?で犬担当だった山本裕典の役名が「犬塚夏男」らしい。彼も転生体かも知れない。

八つの玉に刻まれた文字は、「日」「曜」「劇」「場」「南」「極」「大」「陸」かなと思ってましたけど、「木」「村」「拓」「哉」「S」「M」「A」「P」でもいいかも知れない。
もしくは、「ま」「ま」「満」「足」「一」「本」「満」「足」の八文字にすれば、うまいandでかいandヘルシーで、南極の非常食としてタロ・ジロも満足してくれると思います。仮に満足できずに噛み千切られるとしても草君は「いいひと」なので大丈夫です。

『南極里見八犬伝』によって『南極大陸』が『南極料理人』につながっていくと仮定したら、人はすべてを許せるんじゃないだろうか?許せない?そんなことよりラーメンだ?まあ許せないなら仕方ないので、のびないうちにラーメン食べましょう。

ともかく日曜劇場『南極大陸』感動の最終回は、明日12月18日放送です。ぜひともお見逃しなく!
私は見るかどうか、その日の気分次第だと思いますが、ぜひともお見逃しなく!
ちなみに因果応報の木村先生は、タロ、ジロだからネックローリング程度で済みましたけど、もしリキが生きていたら「絶・天狼抜刀牙」で首が飛んでいます。

最大104人の大規模同時対戦『機動戦士ガンダムオンライン』


モビルスーツのパイロットになって戦うPCオンラインゲーム『機動戦士ガンダムオンライン』が発表になりました。



ガンダムゲーム史上最大の同時対戦ゲームだそうですが、104人という人数が中途半端ですよね。
これは両軍2人ずつの戦術指揮に専念する、指揮官役を含むからのようです。つまり、

連邦(パイロット:50名+指揮官:2名)VS ジオン(パイロット:50名+指揮官:2名)
=104人対戦


ということになりますね。

戦闘レベルをプレイするパイロットだけでなく、戦術レベルをプレイする指揮官役が存在するのが興味深いところ。
こうなれば、あとは戦略レベルをプレイする政治家が存在すれば、私が昔妄想したイメージどおりのゲームに限りなく近くなってくれそうです。

【政治家】をプレイするガンダムゲームがどのようなものなのかは以下をご覧ください。

【政治家】ほど楽しいゲームはない<ガンダムオンラインゲームのアイデアメモ>

ぜひ、この『機動戦士ガンダムオンライン』と連携するモバイルゲームをリリースして欲しいな。
パイロットにはなりたくないが、1日1回モバイルゲームをチェックする程度でいいなら、一年戦争に介入したい。そしてみんなで楽しい民主主義して衆愚を極めたい。

メビウスの輪から抜け出す富野由悠季ゲーム


妄想ガンダムゲームといえば、「ガンダムゲーム」ではなく「富野由悠季ゲーム」があるとすれば、どんなものになるか記事を書いたことがあります。

メビウス(双方全滅)の輪から抜け出せなくて<「富野由悠季シミュレーションゲーム」>

このゲームのポイント

2つの勢力でおこなわれる戦争が舞台。だが、この戦争の終着点は「双方全滅」と決められている。
それを何度も何度も工夫しながらやり直して、全滅の輪廻から逃れるのがゲーム目的。

これを、ルート分岐型のコマンド選択アドベンチャーではなく、AIキャラ(富野AI搭載)を使ったアドベンチャー、シミュレーションゲームにする。(「ガンパレードマーチ」、PS2「魔法先生ネギま!」のイメージ)

自分以外は、AIキャラが勝手に行動するので、AIキャラ同士で、好き合う真似ごとや、傷を舐めあう道化芝居が始まったりする。
AIキャラが勝手に命令違反でロボットで出撃したり、そのまま敵に捕まって洗脳されて帰ってきたりする。
さらに和平会談がAIキャラのせいでダメになったり、勝手に暗殺をしたりされたりするかも知れない。
要するに主人公が「戦争ダメ!」と思っても、各キャラが個別のエゴで勝手に動くので、ちっとも戦争が終わらない。


要は、富野宇宙を舞台にした箱庭AI遊びですね。ガンダムパレードマーチ。

この記事を書いた後、富野ゲームらしさをAIいじり遊びで表現するために「因縁システム」の要素を入れると面白いかも、と考えていたのを先日思い出したので、書いておきましょう。

「因縁システム」とは?


富野AIゲームは、AIキャラとの人間関係で戯れるゲームですが、その人間関係の要素として「因縁」という概念を取り入れる
「因縁」はプレイヤー、AI問わず、すべてのキャラクター間で発生する。

例えば、プレイヤーがある敵キャラクターを殺したとする。
すると、殺した敵キャラクターに関わりの深いキャラにプレイヤーとの「因縁」がつく。
この場合、プレイヤーに「親しい人、大事な人を殺された」という因縁になる。

この「因縁」がついたキャラは、プレイヤーやまたはプレイヤーに関わりの深いキャラを殺そうと、戦場で執拗に追い回し始める。
つまり復讐を行動原理にするキャラクターに変異する。

もし、それで味方の誰かが殺されると、今度は味方側のキャラクターに敵への「因縁」がつく。

具体例を上げれば、お互いの大事な人を最後まで殺しあったカミーユとジェリドであり、父を殺されたことを行動原理にして戦うソシエお嬢さんだったりする。
殺したり、殺されたりの「憎しみの連鎖」が深まったり、より多くの人物間に広がっていく。

つまり「因縁」はAIキャラクターの行動原理を規定し、またそれを他のキャラクター間に影響を広げていくシステムといえる。

さまざまな因縁パターン


分かりやすいので復讐の連鎖を例に出したが、殺す殺さないだけでなく、いくつかのパターンを「因縁」で表現してみよう。

恋人関係の因縁


例えば、恋人関係になったキャラクター同士が別れた場合に、それぞれのキャラに、元カレ、元カノとしての「因縁」がつく。
因縁がついたキャラに対してどう反応するのか、というのはキャラクターごとの個性の問題としてもいいが、ハマーンとシャアの関係などはこの元恋人という「因縁」で処理する。
ゲームだからと、やりたい放題で暴れまわると、さまざまな「因縁」がくっついてきて、人間関係がえらいことになってしまうかも知れない。

落ちぶれの因縁


富野アニメには、ライバルを中心に落ちぶれるキャラクターがよく出てくる。バーン・バニングス(黒騎士)や、ギジェが代表例だろうか。
敗北による屈辱であったり、作戦失敗の責任を取らされた左遷や降格であったり、もっと大きく、うまくいかないことへの苛立ちや絶望かも知れない。
彼らを落ちぶれさせた「因縁」の何かに執着するキャラクターになるだろう。その意味では「因縁」の対象はキャラクターに限らない方が面白いかも知れない。

肉親の因縁


親子、兄弟、姉妹などは、ただそれだけなら単なる人間関係のひとつに過ぎないが、敵味方に分かれたときに「因縁」化するとか。
兄弟や父、子を殺すことに執着したり、逆に手加減が発生したり。
具体例でいえば、親子ならばルーザ・ルフトとリムル・ルフト。兄弟ならば、シャアとセイラ、ハルルとカララ、ウルルとサララなど。
ちなみにウルルとサララはダイキンエアコンです。湿度と乾燥は切っても切れぬ因縁といっても過言ではない。ムーン・ムーンの人はサラサで、石田ひかりはサラダひかりです。

このゲームは全滅リプレイすることが前提のゲームなので、これらの中でも深い因縁は転生(リプレイ)した先でも初期ステータスとしてくっついてくることにしてもいい。前世からの因縁というやつですね。

あとは「因縁」同士のコンフリクトがポイントになるでしょうね。
肉親だけど、恋人を殺した憎むべき敵とか。命の恩人だけど、父の仇とか。2つ以上の因縁の衝突。
「因縁」と「因縁」が衝突して、疑似葛藤をつくるような形。その上でAIキャラがどういう動きをするのか、というのがAIドラマとして現れてくれば面白いかな。
所詮、表に出てくるものは処理結果でしかないんだろうけれど、それに影響を及ぼす「因縁」自体はゲーム上存在していると。

目の前で因縁は生まれ、連鎖していく


プレイヤーは、2つの勢力間の戦争を終わらせようと奔走するけれど、戦争の理由などゲームの場合、戦い合っていることを説明するための設定でしかないので、実際にゲーム中で繰り広げられるゲームシステム上では「因縁」ということで処理してしまうのもひとつの手。

各個人を対象にしたものだけでなく、何か概念的(名誉・出世・自由など)なものや、勢力・組織への「因縁」もあってもいいかも知れない(「ザビ家」への因縁とか)
戦略的な設定があった上で、AI感情的には「そちらが先に手を出した」「そちらがやり返した」だけで戦争を続けるとかね。

戦争が続いている本当の(ゲーム上)の理由が、敵のAI総司令がもつ個人的な「因縁」である「娘(妹)が敵に寝取られた」と「優秀な軍人の娘(姉)が、男じゃなかった」みたいなことになってたらいいんじゃないかな。リアルな戦争からはかけ離れるが、それよりもドラマが欲しい。AIキャラクターに損得を越えた行動原理が欲しい。

そして、プレイヤーはその因縁を解き放つための存在として何かゲーム上の仕組みがいる。「俺は人は殺さない。その因縁を殺す」ができればいいのだけど、いいものが思いついていない。
(全滅輪廻から解脱しなくてよいゲームであれば、特に何もいらないのだけど。)

まあ全滅回避はゲーム上のお題目でしかないので、敵に殺された仲間の仇を討って、今度は敵に恨まれて、また殺して、また殺されて、というどうしようもない「因縁」の憎しみの連鎖もしたい。
アムロも、イセリナだの、ハモンだの、シャアだの色々やられたあれ。

ゲームに限らず、過去のトラウマがあって現在の人格になったキャラクターをカウンセリングするというパターンの物語が多いですが、個人的にはあまり好みではありません。
現在進行形で、自分の目の前でトラウマが生まれるドラマの方が圧倒的に好きです。それがプレイヤーには制御しきれないAI世界の中で生まれるといいんですけどね。

因縁と叔父貴のグランド・セフト・オート


「因縁」システムについては『グランド・セフト・オート(GTA)』で導入するのが手っ取り早いので、マフィアもので使うのもいいですね。
『GTA』シリーズは、アメリカの架空都市を舞台に、車を盗んでイカした(イカれた?)チンピラライフを満喫する自由度の高いゲーム。

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私は『GTA3』が出た頃にこのゲームの存在を知りました。
実際にプレイしたのも『GTA3』だけですし、しかもアクションが苦手でクリアできず途中で断念したぐらいなので、雰囲気が分かる程度ですが、さまざまな面で非常に興味深かった。

調べてみると作品によって、ミッションの進め方で街にあるいくつかのギャング勢力に信頼されたり、恨まれたりするシステムがあるようですし、ギャング抗争として縄張り争いをするシステムもあるようなので、要素としては近く「因縁」システムとの相性もよさそうです。

大恩ある「叔父貴」こと若頭との、プラスの「因縁」とか、その若頭をよそのギャングに殺された「因縁」とか、派手に暴れまわったせいで特定のマフィアの構成員全員に報復の「因縁」がついて、見つかる度に襲われたり、任侠物的に「因縁」システムを処理した方が、かえってシンプルで分かりやすいのかも知れません。

ひとつの街にいくつかのマフィアが同居しながら、縄張り争いしたり、同盟組んだり、暗殺したり、報復したりするのはいいですね。
若頭であるプレイヤーが報復は絶対するなと命じていたのに、部下のマサ(AIキャラ)が勝手に敵ギャングの幹部に鉛玉撃ちこんだりして、泥沼の抗争になるのは楽しそうです。

箱庭AIゲームは要するにAIいじり遊びなので、いじるための何か面白いルールがあればいいんですよね。
浦沢直樹『MONSTER』のヨハンのように、プレイヤーがAIキャラ同士の憎しみの「因縁」を煽ることで、何十人もの人間が殺しあうのを、 ただ眺めていることも可能かも知れません。



以上、色々考えてきましたが、「因縁」システムはあくまで概念というかコンセプトの提示に過ぎないので、現実的に考えてどうなのか、というのはあまり考えていません。
ただ「富野由悠季」ゲームというのを考える上で、運命とエゴに振り回される人間を「因縁」でまとめるというのは、面白そうな方法のひとつではないかな、と考えています。

以前の記事でいただいた皆さんのリアクションや、今回の「因縁」要素などを含めて、またいつか「富野由悠季ゲーム2」(影も形もない妄想ゲームの続編)の記事が書けたらいいですね。

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