僕はゲームをするのが好きだったが、
ハタチを越えたあと、社会人になる前からすでにゲームがだるくて仕方がなかった。だからかどうか、今ではサッカーゲームしかしない有様。
でもゲーム自体は好きなんだよね。
もっとゲームをしてみたいのも確か。
そんな僕は、花京院典明のように考える…考える…。
で、僕がこれしかないな、と考えてるものは「放置ゲーム」だ。
その名の通り、ほっとくゲーム。これなら俺でもできるよ母さん。
放置ゲームの定義はこんな感じ。
・プレイ=放置
・ゲーム画面と常に接する必要がない
・努力してうまくなる必要もない
・いつでも辞められる
・明るい職場で誰にでもできるかんたんな仕事です
完全にダメ人間みたいな定義だな(笑)。
そこまでいやならゲームするなと言われそうだ。
いや、でもコントローラー握って画面に向かって一晩中ゲームする人間とどっちがダメ人間かを考えると、事はそう単純ではないよ!
要するに、基本的に何もしないのがルール。
こんな定義で、昔いくつかネタを考えたので、その中から1つ紹介したい。
タイトル:『伝説の勇者に光あれ!』
■ゲームの概要
※設定を紹介しつつ、ゲーム全体の流れを。
世界は、よくある感じのファンタジーの世界。
これまたよくあることに魔王が現れ、世界は危機に瀕していた。
プレイヤーは、ある国の王様です。
王様は、魔王を倒すために、伝説の英雄の血を引く勇者を募集します。
プレイヤーは王様として、ぞろぞろ現れる自称勇者と謁見(面接)をします。
具体的には、顔を見て、名前聞いて、能力を見て、PRコメントを聞きます。まあ履歴書を見て、ひとつ、ふたつ質問するバイトの面接程度のことですね。
で、こいつこそ伝説の勇者なんじゃなかろうか、と見込んだら、
「おお!伝説の勇者よ!よくぞ来てくれた!」
と言って、勇者の手を握ろう。そして、
「ささやかだが、これはわしからのせんべつじゃ」
と言って、軍資金と装備(剣や盾)や道具をあげましょう。
「では旅立つがよい!さらばだ勇者よ!」
で、王様(プレイヤー)の仕事は終わりです。
あとは勇者が魔王を倒してくれるのを待ちましょう。
【 ここで「放置タイム」突入です 】
最終的に、見事、勇者が魔王を倒してくれたらゲームクリアー。コングラッチュレーション。ヘイ、カール!コングラッチュレーションおめでとう(長嶋茂雄)。
世界を救って戻ってきた勇者に
「さすが伝説の勇者。わしの目に狂いはなかった」
と言って、娘を嫁がせて、END。
■システム
もうちょいゲームのルールとシステムを説明しますね。
▽プレイヤーの行動
プレイヤーがすることは以下の3つです。
1)勇者の面接
2)餞別を渡す
3)果報を寝て待つ
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1)勇者の面接
面接は、履歴書ことキャラクター紹介画面を見て決めるわけです。
顔と名前。十分、勇者にふさわしいかどうかの判断材料になります。世界を賭けるわけなので。
性別、年齢、職業。36歳無職に世界を託すのかどうか。
あとは、なんかあだ名とか称号とか呼び名があると面白いかも知れないですね。この人間に対する他人の評価ということで。
「熊殺し」とか「ハカセ」とか「地上に降りた最後の天使」とか「赤い彗星」とか聞いて判断する。
さらに、王様は「そなたが、伝説の勇者の末裔である証拠は?」と聞きます。そこでPRコメント、どすん!(石橋貴明)
「母が死ぬ間際に、お前の父さんは伝説の勇者だったんだよ、と言い残して死んだんです」
「先日、私の夢に女神さまが現れて『世界を救いなさい』とおっしゃりました」
「・・・・・・(黙って、そでをまくり右腕にある勇者の紋章のアザを見せる)」
などと自意識過剰というか電波というか。
こいつは違うなあ。と思ったら、「帰って良し」と言って不採用にします。
これは、と思う人を勇者として選びます。
2)餞別を渡す
これが、王様に出来る唯一の干渉です。
国の予算と武器庫、倉庫にある程度のたくわえがありますので、そこから渡します。
装備:剣や盾。モンスターとの戦い、レベルアップ率に効果を発揮。
道具:薬草や毒消しなど、便利な道具。生存率を伸ばす。
お金:万能。あればあるほどよい。そう堀江も言っていた。
「勇者よ!おぬしには、どうのつるぎと、やくそう、180ゴールドをあたえよう」
という感じ。お金や道具だけでもいいし、全く与えない、というのでも良い。
3)果報を寝て待つ
ここがこのゲームの肝部分。放置ゲーの本質。
勇者を選んで、餞別を与えて、旅立たせたら、もう王様にできることは何もありません。
ですからあとはほっときます。
ゲーム的には、完全に画面から離れてもよいものとします。
この後は、一切ボタンに触らなくてもゲームが進むことにします。
もちろんゲーム画面を見続けることは可能です。することがないだけで。
イメージとしては、世界地図があって、マップ中に勇者の現在位置が光っている。
勇者の現在の場所(溶岩の洞窟など)、勇者のレベルや、状態などが分かる。
あとは、過去の行動の履歴が見れる
「王国暦834年6月3日 勇者○○○は、魔王四天王の一人を撃破」とか。
そんな日記状態のものがずらずらっと。
それだけ、かな。
あとはもしリアルタイムで何かイベントが発生した場合は、
アラートが出る。まあ伝令からの報告という感じでいいでしょう。
「王様!勇者○○○が、南の町をモンスターから解放したようです!」
勇者からの手紙などが来ることもあります。
「王様、港町で船を手に入れました。いよいよとなりの大陸に渡ります」
など。
でも、見なくてもいい(履歴には残る)。
PC的には、メッセンジャーのメッセージが、ぴこん!と現れる感じでしょうか。
あとは、ほっとく。
で、たまに見たりなんかして。
やることはない。
気が付くと、勇者が死んでたりする。魔王を倒してたりもする。
そんなゲーム。
■ゲームのポイント
▽勇者のリスク分散
このゲーム、本当にすることが3つしかない(3つ目は、なんにもしない、という行動だし)わけだが、その代わり、その3つはいつでもやっていい。
旅立たせる勇者は1人じゃない。
なんで世界を1人に賭ける必要があろう。リスクは分散すべきだ。
勇者は複数人を旅立たせることができます。制限はあるべきなので、例えば5人まで勇者をつくれるとしましょう。
最初の1人を
「おお!伝説の勇者よ!よくぞ来てくれた!君こそ真の勇者だ!」
と言って、送り出しつつ、
「次の方、どうぞ」
と言って、他の勇者候補にも会い、
「おお!伝説の勇者よ!よくぞ来てくれた!君こそ真の勇者だ!」
と言って、2人目を送り出そう。
5人いっぱいまで送りだした後、1人死ぬと空き枠ができるので、1人送り出せる。(面接自体はいつでもできて、数人ストックできるといいんでしょうね)
で、世界地図を見ると、5人の勇者がどこで何をして、レベルいくつか、というのがわらわら動いて面白い。
「王様!勇者Aが、魔王四天王に惨敗!命からがら逃げ帰りました!」
「王様!勇者Bが、岬の洞窟で行方不明になりました!」
「王様!勇者Cは…、町の酒場からまだ一歩も出ていません…」(所持金ゼロ)
▽国庫の充実
勇者は冒険した際に見つけた珍しい宝物(お金)や、武器、道具などを王様に献上してくれます。
「旅の途中で、黄金の剣を見つけました。王様に送ります」
こうして倉庫を充実させると、新しい勇者に良い餞別を贈ることができます。
一番期待できると見込んだ勇者に、伝説の「勇者の剣」をいきなり与えたりできるわけです。期待の大型ルーキー。10年に1人の逸材。さぞや活躍をしてくれ…
「王様!勇者が、スライムに殺されました!」
「!!!」
勇者が死んでもアイテムは戻ってきません。
以上のような感じのゲームです。
はたして王様は(自分がなんもせずに)魔王を倒すことができるでしょうか。
「伝説の勇者をプロデュース!(内P)」というゲームですね。
■楽しみ方のポイント
ほっとく、ほっとくと言ってますが、
・世界地図上で、ゲーム自体は進行してる。
・でもゲーム中にすることが何もない(面接はできるけどね)。
・イベントはアラートメッセージが送られてくる。
・ボタンを押す必要がない。
あとは、どうするもこうするもあなた次第。
ながめるもよし。飽きたらテレビ見るなり、お風呂に入るなり、寝るなり、焼くなり、好きにしろ。
ポイントは、別に情報として見るものとか、クリックするものとかは色々あるってことかな。ゲームの進行とは一切関係ないけど。
特に勝ち負けもないし、ゲームのうまい下手も別にない。
上手く楽しめるようにはなるべきだけど、ゲームを上手くなる必要がないというか、上達要素がない。
時間の感覚はどうかなあ。
魔王を倒せる真の勇者の冒険は、現実世界での時間で1週間ぐらいか?
そんなのんびりでもいいかもと思うけど、どうでしょうか。
で、実際、こんな何もやることのないゲームが楽しいのか?といわれると、僕は楽しいけど、楽しくないという人もいるだろうなあ、とは思います。
「ベストプレープロ野球」という、偉大なほっときゲームが好きな人はこれも好きでしょうけどね。
最大のポイントは現代人の生活上、ゲームなんかやってられない=ほっとくしないない、という状況下でゲームが進められることです。
朝オフィス行って、メールをチェックした後、ちょっとだけ自分の王国もチェックする。
5人とも順調に生きてる。色々とアイテムも送られてきたようだ。
おっと、いけない。会議の時間だ。会議にでかけるその瞬間にも勇者は戦っている。
そんな感じで、PCのタスクバーに常駐するぐらいの使い方を理想のイメージとしています。
わざわざほっとくんじゃなくて、何かの合間に、ふと思い出してチェックする感覚。
何もできない、んじゃなくて、何もしなくてもいい。
何かをして進むんじゃなくて、何もしてないから進む。
そんなゲームです。
そんな放置ゲームの魅力を、ネタを変えて、これからも紹介していきたいですね。
楠瀬誠志郎には魅力が伝わらないでしょうけど。それもほっとく。
コンセプト説明だけで終わってたので、もうちょいゲームっぽく考えてみよう。
推理ミステリーゲーム。
前提というかスタート位置はここ↓。
(1)連続殺人の発生は決まっている(設定、シナリオ)
(2)犯人も探偵も誰かは決まっていない(ゲーム展開次第)
(3)最終的に探偵が指名した人物が犯人
以上、3つのルールを使おう。
3つのルールを眺めると、手っ取り早く面白くできる方法に気づく。ちょっとルールを単純化してみよう。
(1)連続殺人の発生=殺人発生をひと区切りとして進行。
(2)犯人、探偵の不確定=参加者の身分は平等。
(3)指名されたら犯人=敗者(勝者)の決定。
ゲーム中は平等で、どうなるかは展開次第。
それによって勝者と敗者が決まる。
と、くれば、これはもう多人数対戦ゲームにするしかない。
みんなでわいわいやって、犯人と探偵を決めよう。
しかも今回はコンピューターゲームでなく、トランプや人生ゲームのように実際に集まってカードやボードで遊ぶパーティーゲームを想定して考えてみる。
「多人数対戦推理ミステリーゲーム」というわけです。
■基本設定
・「山荘で男女がいて、連続殺人」は一緒。
・ゲームは4日間。
・一日の夜ごとに殺人が起こる。
・殺人は3日まで続き(3名死亡)、4日の朝解決。
■プレイヤー
・プレイヤーは、山荘に居合わせた男女の一人を担当。
・死なないようにしつつ「犯人役(トランプのジョーカー)」を押し付け合い、あわよくば探偵役となって事件を解決する。
■勝敗
・死んだらゲームオーバー。
・犯人にされたら敗者。
・探偵になれば勝者。
■ゲームの流れ
基本的にカードゲーム。山荘の間取り図をボードとする。
カードを引いたり出したりしながら進める。
ボードの上に自分のコマを置き、どの部屋にいるのかをはっきりさせる。
■3つのメーター
ゲーム上、プレイヤーは3つのパラメーターを持つ。
「死亡メーター」
・これが増えるほど「死」に近づく
・一日が終わると、これが一番多いプレイヤーが犠牲となる。
・自分でカードを引いたり、他人にカードを出されたりして上がってしまう。
「探偵メーター」
・これが高いほど、最終日の探偵になれる。
・最終日になった時、この値が一番高いプレイヤーが探偵となり犯人を告げるヒーローの役目を果たす。
・事件解決に貢献した発見、行動などで上がる。活躍度。
「犯人メーター」
・これが増えるほど最終日の犯人に近づく。容疑者度。
・最終日になった時、この値が一番高いプレイヤーが犯人となる。
・自分でカードを引いたり、他人にカードを出されたりして上がってしまう。
※ここの値は本当はクローズド(本人以外見ない)の方が楽しそうだけどな。
この3つのパラメーターの上下がゲームのポイント。
■ゲーム進行
一日目の行動をする
・山荘内を移動したり、部屋の中を探したり。
・カードを引く。手がかりが見つかる。イベントが起こる。
・他のプレイヤーの妨害をする。犯人度を上げる。
・例えば「事件発生時刻に○○が部屋にいなかった」カードを他のプレイヤーに出す。
プレーヤーA:「そういえば午前2時頃、Bさんが部屋を出るのを見たわ」
周りはBさんを疑うので、犯人度が2上昇。
みたいな感じ。
・死亡度が上がる。
カードを引いたり出されたりして死亡度が上がる。
例えば「子供が出来た○○さん」のカードを引いてしまう。
プレーヤーC:「そういや私、子供ができたんですよ。実はもうすぐ予定日なんです。男の子かな?女の子かな?」
Cさんの死亡度が3上がる。
・探偵度が上がる。
カードを引いたら、大変な秘密を知ってしまったようだ。
プレーヤーD:「この古い日記は…。?!そうか、だからあの時、あの人が…」
Dさんの探偵度が5上がる。死亡度が3上がる。
※知らなくていい秘密を知ると消される可能性も上がる。
一日が終わる。
次の日の朝、死亡度が高かったプレイヤーが残虐に殺される。
二日目が始まる…。
三日目が始まる…。
四日目が始まる…。
四日目に生き残った人はホールに集合する。
■ゲームの解決
・探偵役の決定
ここまでで一番探偵度の高いプレーヤーが探偵役となる。
プレーヤーA;「皆さん、お集まりいただきありがとうございます」
他のプレーヤーは、負けを認めつつ
プレーヤーB:「Aさん、一体これはなんのマネですの?」
プレーヤーC:「・・・・」
とか、その他大勢、もしくは犯人を気取りましょう。
プレーヤーA;「お集まりいただいたのは他でもありません。…犯人はこの中にいます!」
・犯人の決定
ここで探偵役は、犯人度が高い人物の名前を呼びます。
プレーヤーA:「犯人はあなたです。Dさん!」
犯人(敗者)役となってしまった人は、
プレーヤーD:「…ふふ、くく、はははは!」
プレーヤーD:「何をバカな。バカバカしい!」
など、お気に入りの犯人役を気取りましょう。
ここから探偵役の謎解きです。
ディティールはどうでもいいので、なんでこの人が犯人となったのか適当にしゃべりましょう。一番気持ちいいとこです。
犯人役は動機を語らねばなりません。
プレーヤーD:「私は、父のカタキがうちたかった」
とか適当に事件の幕を引きましょう。犯人役が一番おいしいところです。
で、おもむろに「聖母達のララバイ」をかけて、ゲーム終了です。
■本当の敗者
なんかしゃべくり倒してますが、それでいいと考えています。
ゲームなんてしゃべくり倒すための元ネタ。小堺一機のサイコロと一緒できっかけみたいなもんです。そこから面白話、面白ワードが出てきたらそれでいいんです。
カードとカードの間、事件の全貌はプレイヤー全員で補完するのです。
・探偵役はおいしい。でも犯人役もおいしい。
犯人役は敗者ということになって、罰ゲームのように事件動機をしゃべらされますが、事件の主役は間違いな犯人であって、おいしい役どころです。
正直、このゲームでは、最終日まで生き残ったが犯人にも探偵にもなれなかった人こそが敗者のようなものです。
それぐらいなら死んだ方が良かった。子供に会えない新婚パパ役の方が良かった。そう思えるゲームにすべきでしょうね。
■ゲームマスターを入れる
本当は、もっとゲーム中も会話を入れていくとより楽しめると思います。
プレーヤーA:「そういえば午前2時頃、Bさんが部屋を出るのを見たわ」
となった時に、
プレーヤーB:「確かに私は寝付けずに起きて、台所にブランデーを取りに行きました。それだけです」
とか、何とか実際に言い訳するともっと楽しいゲームになります。言い訳がすっと出ないと怪しいわけです。
ただし、これやろうとすると言い訳をジャッジするゲームマスター(司会進行役)が必要になりますけどね。
ゲームマスター:「今のBさんの言い訳は特にあやしいところはないね(犯人度上昇なし)」
さらにゲームマスターをありで考えると、プレイヤー全員の犯人度は全てマスターが管理することが出来ます。
そうなるとプレイヤー達は誰も本当の犯人を知らないことになり、スリリングになります。
最終日、探偵が決まったあとで、ゲームマスターがこっそりと犯人名を探偵に教えて、探偵の口から犯人が呼ばれるわけです。
(実際のミステリドラマと同じシチュエーションですね)
面白いのは探偵度、犯人度共に最も高かった時。つまり探偵なのに自分の名前を言わなければいけないパターン。「犯人は俺」パターンです。
これは探偵に見せかけつつ、結局自分の犯行を白状することになります。ポートピア並の難易度です。
■まとめ
以上のような感じ。
思いつくままに書いたので、まとまりが悪くてすいません。
パーティゲームとして考えたのは、それが一番楽しそうだからというだけであって、これを基本としてコンピューターゲームで対戦しても、それはそれで楽しいものになると思います。ゲーム性は変わるでしょうが。
もちろん全然詰めは足らないのですが、この辺りにしときます。
何となく雰囲気は伝わったかな?伝わってるといいけど。
で、当時(7年前ぐらい?)友人達と考えていた。
「なぜゲームの中で俺達(プレイヤー)はかっこよくできないのか?」
ゲームでは、プレイヤーは大抵「勇者」や「統治者」や「モテモテ高校生」や「最新鋭戦闘機」などの主人公になります。
しかしゲーム世界の物語では主人公でありながら、どうもカッコよくない。
(1)すぐ死ぬ。戦い方自体がかっこよくない。
アクションやシューティングなどの場合。
死=ゲームオーバーなわけですが、ゲームの下手な私たちは無様な姿を見せながら、すぐにかっこ悪く死んでしまいます。
ゲームでは、クリアーできる一部の上手な人だけがハッピーなエンディングで「英雄」となれるのです。
(2)シナリオが分かってない主人公
RPGなど。物語性の高いゲームの場合。
物語は、ゲームに用意されたシナリオに沿って進み、プレーヤーはその物語の主人公をやれ、と言われますが、なにせ演じる俳優(プレーヤー)がこのゲーム自体について分かってないから右往左往。その結果、ドラクエ4のデスピサロを二軍メンバー+ドランだけで倒してしまうという、みっともない事が起こる。
誰もがカッコよくプレイできるゲームというのは無いものか?
誰もが物語の中で真の意味での主人公になれるゲームはないものか?
そう思って、いい方法ないかな、と考えたのが、以下のゲームアイデアです。企画にするほど固めてないし、あくまでアイデア、ネタのレベルです。それを紹介します。
本当はどんなネタでもいいんですが、説明しやすいやつにしましょう。
ジャンルはミステリ。コナン君や金田一少年のような、推理ゲームです。
どうせ妄想で形がないわけですから、皆さんの想像しやすいようなベタベタなやつにしましょう。
■ゲームの基本設定
・推理ミステリー(アドベンチャーゲームっぽいのを想像してくれてもいいです)
・冬の山荘に10人の男女が閉じ込められて連続殺人発生。のような感じのやつ。
・主人公=その山荘に閉じ込められた一人。
高校生とか大学生とか大人とか。探偵役をやる。
・タイトルは「なんとか伝説殺人事件」みたいな。
■ゲーム目的
・プレイヤーは、山荘に閉じ込められた一人となって、殺人事件を解決するため行動する。
上記のかんたんな設定と、プレイヤーキャラと、ゲーム目的があった場合、従来のゲームだと以下のような感じになりますよね。
■従来の推理ミステリーゲーム
・アドベンチャーゲーム。
・屋敷の中を歩き回って手がかりを探したり、色んな人に話を聞いたりして、解決の糸口を探す。
・捜査が進行してくると、シナリオに従って有力な容疑者が何人か死ぬ。
・最終的に、捜査材料、情報などから真犯人を割り出す。
・みんなをホールに集めて、犯人発表会
・泣き崩れる犯人。13年前の因縁に由来する悲しい復讐劇。
・手錠をかけられ去る犯人。
・聖母(マドンナ)達のララバイ。
といった感じに進むのが、想像できるはずです。
でも、同じ設定、プレイヤーキャラ、ゲーム目的で、全く違うゲームがつくれないかな?と考えました。カッコよく主人公が体験できるゲームとして。
■考えたゲーム
・ゲームスタイル未定(アドベンチャーみたいなやつでもいいです)
・プレイヤーは主人公なので、ホールに人を集めて「犯人はこの中にいます!」と言うことができます。
・で、選択肢が出る。この場にいる人物名リストを表示。
・一人の名前を選ぶ。
・犯人決定。
・聖母(マドンナ)達のララバイ。
というゲームです。
要するに、最後の場面で主人公が「こいつが犯人」といった相手が、事件の真犯人になります。
・誰選んでもいいです。適当に選んでもその人が犯人です。
・もし一緒に行った幼なじみの女の子の名前を選んだら、幼なじみが犯人です。
なぜ、そんなことで犯人が決まるかというと、主人公だからです。
ミステリの主人公が、そういう場で告げる犯人の名前は、絶対に犯人で間違いないからです。
ですから、犯人が分からなくて迷宮入りという事はありえません。
この物語世界において無敵の力を、「主人公力(しゅじんこうぢから)」とでも呼びましょう。
プレイヤーは主人公力を駆使して、ゲームをクリアーすることになります。
そういうゲームです。
■ゲームの特徴
「犯人を主人公が言い当てる」ではなく、「主人公が指名した相手が犯人になる」ゲームです。
犯人になったキャラクターは、とぼけたり、泣き崩れたり、開き直ったり、キレたり、別の人格が現れたり、キャラクターによって違うリアクションを見せながら、よくありがちな○年前の復讐とか、竜神沼伝説とかを語ってくれます。
従来のミステリアドベンチャーが、ミステリ小説と同じで、1度犯人が分かってしまうと価値が半減するのと違い、犯人を誰にするのかによって、さまざまな展開を楽しめます。
ですから自然と
▼従来のミステリゲーム
プレイ時間:長い
リピート性:低い
▼このゲーム
プレイ時間:短い
リピート性:高い
と、同じ設定ながらゲームスタイルは全く違うものになると言えますね。
■ゲーム内容
このゲーム、面白そうなんですが、どうやっても犯人を間違えないのだとすると、ゲームの真っ最中で、プレーヤーは何をすればいいんでしょうか?
どうも、しつこく屋敷中を歩き回って手がかりを探すという無意味なことはしなくてよさそうです。
じゃあ何をするゲームなのか?いくつかアプローチがあると思いますが、僕が考えるにこれは「誰が死ぬかをコントロールするゲーム」です。
連続殺人なので、だんだんと人が減っていきます。
ただし、誰が死ぬかはプレイヤーは主人公力である程度コントロールできます。
幼なじみの女の子や、女性、子供は死なせたくない。という人もいるでしょうし、最後に指名したい犯人(=プレイヤーが、こいつあやしいなあ、と思ってる人物)は、残しておく必要があります。
つまり最後のホールに集まるメンバーの選択こそが主人公の仕事です。
殺人事件モノでは重要と思われる「途中で死ぬ人」が実は一番どうでもいいのです。
具体的には、ここも物語セオリーである主人公力を使いましょう。
・幼なじみに常に自分と一緒に行動させる。→そうしてる限りは死なない。
・山荘の周囲の見回り。2つのグループに分ける。→主人公が入っていないグループが襲われる。
・幼なじみ(や女性)が一人でシャワー。→ほっとくと死ぬ。
・主人公が襲われても死なないので、あえて自分を襲わせることで他の人物を助ける。
・部屋割りであてがわれた部屋を、今晩だけ誰かと替わる→その人が死ぬ。
・殺人予告メッセージを見つけてしまう→その人が死ぬ。(見つけなければ、死なずに済んだのにね)
こんな感じでしょうか。どれもお約束ですね。
どうでもいい人達を殺したり、シナリオ中で犯人説が高まった人を殺したり(捜査は振り出しに戻る)。
状況によっては、犯人(にしたい人)の命を間接的に救うこともあるだろう。
こうして誰が死ぬかをコントロールしつつ、最後のホールの場面を迎えるのがゲームの真の目的です。
■まとめ
これは要するに、物語のセオリー(お約束)をパーツレベルに分解して、それをプレイヤーが使うことで物語を再構築するゲームです。
だから、ミステリや火サスを全く見ない人にはあまり面白さが分からないかも知れない。
でも遊ぶ人が遊べば、ちゃんとそれっぽい人が死んでいった上で、さらに有力な容疑者も死に、誰が犯人か疑心暗鬼になった上で、意外な犯人を指名して楽しんでくれるかも知れない。
ちゃんとルール化、システム化をしてないので、ゲームの形にはなっていませんが、コンセプトアイデアとしては分かっていただけたでしょうか?
僕は当時、友人達との話し合いの中から、こういったいくつかゲームアイデアが出てきたことによって、自分がゲームでやってみたいことが、以下の2つなんだと分かった。
(1)物語を分解して、目に見える形でルール化、システム化する
(2)分解された物語をプレイヤーの手で再構成させる。
つまり、形の見えない「物語」という曖昧なものを、目に見える形でゲーム化し、僕達(プレーヤー^)が触れるようにするのだ。
この話、続きます。